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Channel: まほろば自然博物館
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縁側は 一人で春を 待つところ

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 さぬき市地方は高気圧に覆われて概ね晴れていた。気温は氷点下1度からプラスの9度、湿度は72%から57%、風は1mから3mの北西の風が少しばかり。冷たい一日に成った。明日の17日は、湿った空気や低気圧の影響で雲が広がり、夕方からは雨が降る見込みらしい。

 

 久々に大霜の朝になった。天気予報では今日が晴れの峠で、明日からは曇ったり雨になったり雪になったりするそうな・・・。そこで、重い腰を上げて、しわく広島に向かうことにした。

 

 島に帰る・・・と言っても、日帰りである。今の時期、島に居てもすることもないし、行くような場所もない。パソコン三昧かテレビのお守りをするだけならば山の家にいても同じ事。

 

 わが家を9時過ぎに出て、丸亀港には10時半着。11時10分発の「ニュービサン」という高速艇に乗る。海上15分でしわく広島の江の浦港に着く。この日の乗客は8名。

 

 島の家の「暁光庵」には11時半過ぎに到着。この字を揮毫したのは奥方の父君の「元昭」さん。字を彫刻したのは千葉の「無邪鬼」というnifty時代のお友達。日当たりが悪いのか、なかなかに風格が出て来ない。

 

 前回の昨年11月の風景とそんなに違いはない。草も伸びておらず、木の枝もそのまんま・・・。島の家は異常なし。電気・ガス・水道ともに異常なし。

 

 今回の目的は、この、郵便物の確認。喪中欠礼が1通と年賀状が2通。この三人は、いくら山の家の住所で年賀状を送っても、かならず、島の家に送ってくる。私の年賀状を確認していないようだ。

 

 目的はこれ。確定申告になくてはならない重要書類。これを探しに来たというわけ。この島の家が完成したのは平成7年の4月。それから、この家の「住宅減税」のために、住所をここに移した。この島の住人になった訳である。ところが平成16年秋の台風23号でわが家が流された。山の家も私の家だったのに、住民でないということで、見舞金も保険金も一切出なかった・・・。先の人の年賀状や一部の公的書類がここに届くのは、その住所変更のデータが残っているため。台風の一件で、今度は会社の社宅に入ったために住所や電話も移転した。

 

 平成18年4月には場所を変えて山の家を建てたことで、今度は、山の家の「住宅減税」のために住所を移してさぬき市民になった。電話番号もこれまた変更になった。これらのことで、小学校や中学校や高校などの卒業生名簿や各種情報が細切れになって消滅してしまった。親戚筋でさえ、わが家の電話番号や新しい住所を知らない人さえ出てきてしまった。

 

 郵便物さえ確保したら、島には用事がない。ぐるりと島を一周してきて帰ることになった。途中で一眼デジタルを構えていたら、「いい猫が撮れたかいな・・」と言われたが、申し訳ないのだけれど、私は犬もネコもサルもイノシシもシカもタヌキもハクビシンもカピバラも大嫌いなのだ。

 

 「お隣の島には猫がいっぱいおるでぇ・・」と教えてくれたが、佐柳まで猫の写真を撮りに行く勇気はない・・・。12時55分発のしわく丸に乗って帰ることにした。島の滞在時間は1時間15分だった。

 

 この島の乗船切符はいまだに「硬券」。当初は珍しいからと、集めていたのだけれど、20年もになると当たり前になってしまって、ちっとも珍しくも面白くもなくなった。でも、その頃の物は「460円」くらいだったようで、もう少し取っておけば良かったかなぁと、少しばかり残念に思ったことがある。

 

 船は出てゆく煙は消える・・・。今度は4月の金毘羅さんのおまつりだろうか。寒い間は魚も釣れないし、特段の御用もないし。

 

 今日の掲示板はこれ。「寒いけど 梅も桜も 芽が出てる」というもの。これも、あちらこちらで見かけるけれど、どこの誰の言葉かわからない。でも、ものごとは一朝一夕にできあがるものではないし、ぽんとある日突然にできあがるものでもない。寒い中、厳しい中で準備を積み重ねてこそ、ものごとはきれいな花を咲かせることができるということらしい。今は寒さの始まったばかり。暦的には寒さの底かも知れないが、そんな中でも生き物は春に向かって着々と準備をしている。自然は偉大な先生だ。

 

じゃぁ、また、明日、会えたらいいね。


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