さぬき市地方は高気圧に覆われて晴れていた。気温は11.2度から21.2度、湿度は85%から42%と、気持ちの良い初夏のような季候になった。明日の16日は、高気圧に覆われて晴れるけれど、夕方からは気圧の谷や湿った空気の影響で雲が広がり、夜は雨の降る所がある見込みなんだと。
山菜もタケノコも飽きたしなぁ・・・ということで、今日はここに行くことにした。
この、「千手観音」と、刀剣の「ニッカリ青江」である。というのも、私のブログの検索項目に、最近多いのが、「ニッカリ青江 混雑」というワードなのである。そんなに混雑するか・・・ということで、のぞいてみようと思って居たのだった。
そんなにすごいのかなぁ・・ということでやって来たものの、人影はまばら。平日の朝だから、若い人はお仕事中の筈。
ところが、ここではこちらがメインのよう。こういうポスターがあちらこちらに張られている。
入場券まで、こんなもの。「ピカソは見てもわからんので、刀を見たいのですが・・」と言うと、「ピカソのコーナーを通って、次の会場に進んでください」と仰る。そこで絵画や彫刻などが並ぶ中をすり抜けて、次の展示室へ・・・。
ここは、空海さんの常設展示室である。その一角に、この千手観音立像が置かれている。
この観音さまは、宇多津町にある聖通寺山の中腹にある聖通寺の宝物で、現在、収蔵庫を修復しているので、その合間にお借りをして研究調査をして展示してあるそうだ。時代は平安時代の作とされている。重要文化財である。
「鬢髪(びんぱつ)」という、耳の前から紐状の鬢髪が2本垂れて、耳をわたって後へ流れるというのが特色らしい。でも、こうした仏像も、お寺にあればそれらしく手も合わせるのだが、こんな場にあると「工芸品」とか「美術品」とか「展示物」という意識が働いて「鑑賞」するという気持ちになってしまう。
さて、今日のメインの「KATANA」である。刀に「名物」というものがある。由緒があったり、すぐれていると高く評価されたりする茶道具や刀剣をさす言葉らしい。その名物のうちの2本がこれ。
高松松平家伝来の脇差し「切刃貞宗」で、由緒としては「明智日向守光秀」が所持していたもの。この刀は大坂の陣で火災に遭い、「消失名物」に指定されているもの。
これが丸亀京極藩に伝来した「ニッカリ青江」である。にっかりと笑う女の幽霊を切った筈が、翌日には石塔が切れていた・・・という由緒が名物帳に記載されている。価値が高すぎて代付けができないので「無代」と記載されている。
若い女性が押し寄せる「刀剣乱舞」の看板がここにも置かれていた。このゲームに登場するのが、「にっかり青江」である。だから、「混雑」するのだろうが、杖をついたおじいさんと私だけが鑑賞していただけであった。週末には大勢が押し寄せるのかも・・・。
午後からは、講演会のリハーサルをやっていた。
今日の掲示板はこれ。「去年ともに歩きし人よ いないということ思い知る葉桜の下」という俵万智さんの唄から。 《チューリップのペンダントして歩く道 鈴のようにも涙のようにも》 《去年ともに歩きし人よ「いない」ということ思い知る葉桜の下》 葉桜を見ると私はいつも、人との出会いや別れを思い出す。『短歌は、ぼんやりとしていては、生まれない。けれど意識しすぎても、だめだ。いつ訪れるかはわからない「あっ」という心の揺れ、それが種となって、少しずつ育ってゆく。花は、そんな心の揺れを、たくさん私に運んでくれる大切なパートナーだ。俵万智さんの言葉である。
じゃぁ、また、明日、会えたらいいね。