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Drが朝早くからやってきて、病室移転の準備をやってくれた。まずは、数本もある点滴台をゼロにしてしまう作業だった。
明日からは、こういうものがいらなくなるのか。だと、トイレに行くのも楽になる。何をするにしても、点滴のチューブがつながっていると、注意が必要だし、煩わしい。
昨夜は私の心臓アラームが鳴って大騒ぎになったそうだ。私の心臓が一時停止をしていたらしい。当の私は安定剤を飲んで高いびきで寝ていたらしい。心臓が止まっても寝ていられるのか・・・。
だんだんと、少しずつホースやチューブや点滴台が外されていくと、蜘蛛の巣に縛り上げられていた昼間の蛾が、自由を得て羽ばたきしそうな空気が満ちる。
たまには、お食事の様子なども。これはお昼のご飯。事前検査後、上の犬歯が折れて、入れ歯が合っていないので、七部がゆにしてもらっている。
このころは、これが半分ほどしか食べられなかった。ま、寝てばかりいるせいもあって、食欲も湧かないというものだ。
今日は食後のリハリビがあった。今回も本館二階の歯科診療室まで車いすで押して貰って行った。そういうシステムらしい。
今回も、歯の間に食べ物カスが残っているとか、歯間ブラシを使うようにとか、いろいろと指導を受けた。特に「ベロ」の掃除が大事だと言われた。わかっちゃいるけど、やれてない。
夕方、ドクターがやってきて、「明日の午前中に移動」を指示された。サラリーマンの異動はめでたいのだが、病人の病室移動では歓送迎会はない。ここには、あらかじめ準備するほどのものは持ち込んでいないので、私は徒歩での「スリッパ異動」。
今日の掲示板はこれ。「気に入らぬ 風もあろうに 柳かな」という、仙崖和尚の言葉らしい。柳の木はしなやかである。東から風が吹けば西へなびき、西から風が吹けば東へなびく。でも「柳に雪折れなし」と言われるように、柳は決して折れないという。よく、表向き人や状況に「自分を合わせる」人は、「自分がない」とか「何事も気にしない」とかいったマイナスの評価を受けがちだ。そういうケースも多々あるだろうが、確かに、人や状況に「流される」人は、そういうこともあると思う。でもその中には、その「柔軟性」が、本当の強さゆえに発揮できる人もいる。表向きの風を切るチカラも素晴らしいけれど、「折れない」チカラ、それも本当に大切だと思うわけだ。懸命に、ひたむきに生きることも大切だけれども、ちょっと立ち止まって、「明日の風に吹かれて」みるのも大事かも。ここの看護師さんを傍観していて、ふと、思った言葉であった。
じゃぁ、また、明日、会えたら、いいね。