さぬき市地方は高気圧に覆われてよく晴れている。気温は19度から29度、湿度は90%から60%。風は2mから1mほどの南南西の風が少しばかり。明日の2日は、午前中は概ね晴れるけれど、気圧の谷の接近で次第に雲が広がる見込みらしい。午後からは大気の状態が不安定となるため、雨の降る所があるらしい。
来週からはお出かけするもので、県立図書館で借りていた本を返却しに行ってきた。スキャナーでの読み込みもすでに終わっていたものだし。今日は奥方が「一緒に行くわよ」というので、ついてきた。
今日の目的地はここ。高松市亀水(たるみ)町と言うても、坂出市と高松市の境目近くの五色台山上にある「瀬戸内海歴史民俗資料館」。瀬戸内海歴史民俗資料館は、瀬戸内地方の歴史、民俗等に関する資料の収集や保管、展示や調査及び研究を行う資料館で、瀬戸内海沿岸地帯の歴史や文化財に対する認識を深めることを目的として設立されらしい。
いやいや、今日は船を見に来た訳ではない。奥方も「何のためにここに来たの?」と首をかしげている。
今日はこのテーマ展「布をめぐる知恵 布に込めた思い」を見学にきたもの。ここが所蔵する国重要有形民俗文化財のドンザ(漁民の仕事着)、そして農村歌舞伎衣裳、香川県立ミュージアム所蔵の着物や布団地、風呂敷などの布製品を展示し、布をめぐる知恵や布に込めた思いに迫るというもの。瀬戸内海の「ドンザ」は、鯛しばり網の指揮者である網元が着る晴れ舞台用の着物で、仕事着でもあり、よそ行き、晴れ着としての役目もあったから、親が一針ひとはりにこころを込めて刺し子されたもの。母親の強い思いがしのばれる。
また、瀬戸内海の東西に位置する兵庫県淡路市(淡路島)の刺し子ドンザや愛媛県伊方町(佐田岬半島)の裂織りなども展示し、瀬戸内海の布をめぐる優れた技についても紹介している。
そのほか、瀬戸内地方を中心とする祭礼や芸能に見られる布のしつらえや衣裳などの写真もパネル展示し、派手な布や着物で神様や見る人を喜ばせた「風流(ふりゅう)」の心や日本人の美意識の一端も紹介されている。
この前期展は、7月27日(日)まで開催されており、後期展は7月29日から9月28日までとなっている。
こうした衣類は、ほとんど家から出ることはない。高級な晴れ着や布製品は大切にタンスにしまって置かれて家の宝物となっている。万一の場合にはお金に換えることのできる貴重品だから博物館などに寄贈されることはない。また、普段着や仕事着も家から出ることはなく、ぼろ布として保管され、最後はおむつや雑巾として使えるだけ使ったから、こうした資料館にもほとんど収集されることはないのだと言う。
奥方はここに来るのが初めてらしく、船の作り方とかロやカイの種類、農具や船具などに眼を輝かせており、建物の広さや立派さにも驚いていた。
で、今日のお昼はここになった。坂出市高屋町にある「さぬき麺匠・はま弥」という一般店。
私はここに来ると、この「いまだけ」メニューにしている。だから、「温泉卵入りサラダぶっかけうどん並の冷や」をお願いした。けいこばぁはいつだって、どこだって、「かけ小」オンリーワン。
麺もマイルドでやさしい味だし、おつゆもおいしいものだった。
お店も広くないし、駐車場も数台分しかない小さなお店だが、ひっきりなしにお客さんが入って来てはどんどんと食べて出て行くから、狭くても大丈夫みたい。
今日から七月、文月である。今日から法務省による「社会を明るくする運動」が始まっているし、山開き・海開きの日でもある。富士山の山開きも今日だった。まだ、梅雨明けはまだらしいが、いよいよ、本格的な夏の到来という時期にもなってきた。
今日の掲示板はこれ。「正しいことを言うときは少しひかえめにするほうがいい 正しいことを言うときは相手を傷つけやすいものだと気づいているほうがいい」と言うもの。
「祝婚歌」(しゅくこんか)
吉野弘
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと
気付いているほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうち どちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言う時は
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい
立派でありたいとか
正しくなりたいとかいう
無理な緊張には色目を使わず
ゆったりゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そしてなぜ 胸があつくなるのか
黙っていてもふたりには
わかるのであってほしい
じゃぁ、また、明日、会えるといいね。