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Channel: まほろば自然博物館
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振り向けば 思い出話の 蕗の薹

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 さぬき市地方は低気圧や前線の影響で雲が広がり、雨が降っている。気温は7度から8度、湿度は94%から82%、風は1mから9mの西北西の風が一時、強く吹いた。明日の2日は、高気圧に覆われて概ね晴れる見込みらしい。

 

 今日は朝から雨・・・。普通の感覚で言えば、今日からは「春」。弥生三月は春なのだけれど、感覚的には肌寒い雨の朝になった。

 

 雨の日はデスクワークで、「四国遍路の闇と陰」の編集作業に戻った。この作業も峠を越えて八割を概ね越えて、ラストスパートの段階に入っている。今日は。明治初期の「廃仏毀釈と四国霊場」という部分に入った。

 

 さて、今日は「叔父さん」=「父の姉の連れ合い」の七回忌の法要ということで、一般の親族としてのお参り。導師さんは東かがわ市の「正行寺さん」。

 

 こういう場合にはどうすればいいのか分からないのだけれど、ともかく、一般のお参り・・・ということで静かに読経を聞いていた。お寺お寺によってもお作法が違うし、読経も違う。それぞれの導師さんのお作法だから、「ふむふむ」とか、「なるほど・・」と聞いている。

 

 でも、衣体(えたい)を着けて、勤行の場にいるのと、洋装の一般服でいるのとでは、スイッチが違う。立場が違えば、発声も居住まいも姿勢も違う。三部経典は持ってはいるのだけれど、声が出ないし、プロの方の邪魔をしてはいけないという意識も働いて・・・。

 

 ま、お坊さんらしく、それでいてお坊さんではない私がいた・・・。

 

 浄土三部経のお勤めが終わると、参列者はお迎えのバスに乗って、「お斉き(おとき)」の会場に向かう。今日は終日、小雨が降っていた。

 

 さぬき市津田の海岸近くにある「みち潮」という「海鮮茶屋」が今日のお斉きの場所。

 

 まずは、こういうお食事から始まった。ここでも、献杯はうちの叔父さんが発声した。「献杯」は、故人に対してだろうか、阿弥陀さんにだろうか、それとも、ここにいるみんなに対してなんだろうか・・・。

 

 今日の導師さんが言うていたのだけれど、こんな小さなこどもたちは、「照政おじさん」を知らない。知らない人の法事にお参りしている。それもこれも「縁」なのである。私も、ここにいるみんなは、叔父さんの縁によって、ここに集まっている。縁がなければ、終生、出会うこともない人たちである。照政叔父さんが居たからこそ、出会えた人たちなのであるなぁと、しみじみと思ったことだった。

 

 こういう人たちだって、普段には顔を合わせる訳ではないし、日頃から会話をする人たちではない。たまたま、こうして叔父さんの法要があるから出会っただけで、明日からはまた、出会うことのない人たちである。そういう意味で、「法事法讃」の意味は深いものがあるなぁと思ったことだった。

 

 今日の掲示板はこれ。「生まれかわり死にかわり 過去のいのちを受けついで いま自分の番をいきている それがあなたのいのちです それがわたしのいのちです」という相田みつをさんの言葉から。今日は叔父さんの七回忌。あいだみつおさんの詩にこういう作品がある。

  『自分の番 いのちのバトン』

 うまれかわり 死にかわり
 永遠の過去のいのちを受けついで
 いまじぶんの番を 生きている
 それがあなたのいのちです
 それがわたしのいのちです

 父と母で二人
 父と母の両親で四人
 そのまた両親で八人
 十代前で千二十四人
 二十代前では―?
 なんと百万人を超すんです
 過去無量のいのちのバトンを受けついで
 いまここに自分の番を生きている
 それがあなたのいのちです
 それがわたしのいのちです

 

じゃぁ、また、明日、会えるといいね。


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