さぬき市地方は高気圧に覆われて概ね晴れていた。気温は19度から24度、湿度は84%から51%、風は1mから3mの北北東の風が少しばかり。明日の15日は、はじめ高気圧に覆われて晴れているが、気圧の谷や湿った空気の影響で夕方からは雲が広がる見込みなのだとか・・・。
朝から、「迷犬ごん」の脱走騒ぎであっちこっち丁稚。徒歩では見つからずに、車で捜索したら、昨日のおまつりの会場になっていた集会場の脇で寝ていた。ま、よそ様のおうちで迷惑を掛けないで良かったが、どうすれば、あのワイヤーの先のフックを外すんじゃろうか・・。
今週末の法話会の準備もできていないのに、11月のマチ歩きのための準備ばかりが気になっている。で、町内の「みろく自然公園」にやってきた。ここは「奥池」とか「上池」と呼ばれる池だが、なぜか、みんなは「みろく池」と呼んでいる。この池の修復工事の際、「弥勒仏」らしき石仏が出土したので、そう呼ぶらしいが、「みろく池」という池は地形上、存在しない。
その奥池堤防上にある「弥勒池碑」である。この漢文を読もうとしてやってきたのだが、朝日を背中に受けて、全く判別不能・・・。それじゃぁ、ダメじゃん、春風亭昇太。
一方、こちらは「軒原庄蔵」という人。水の恩人、軒原庄蔵は、文政十一(1828)年七月高田村に生まれる。水不足に困る弥勒池(さぬき市大川町)の貯水増のため、三ッ石山の岩盤をほりぬき、砕石谷からの導水に成功し多くの農民を救った。
随道工事は、当時田面村の工事監督多田信蔵(霞岳)、富田中村の数学者萩原栄次郎などの協力を得て、安政二(1855)年からほり始め、安政四(1857)年11月14日の夜明けに貫通し、長さ百五間の石穴を貫通させる難工事であった。この画期的な工事を完成させた功績により、高松藩から郷侍格にとりあげられた後、明治二(1869)年満濃池の閘石穴穿鑿工事を命じられ、明治三(1870)年三十間余の石穴を完成させ、讃岐の治水に貢献した。このため、満濃池の恩人とあがめられ、満濃池湖畔の松崎神社に合祀されている。明治二十三年(1890)六十三歳でふる里に没した。
このみろく自然公園内にはさまざまな植物が植えられているが、今の時期にはこれ。リコリス畑である。その一角には真っ赤な彼岸花が・・・。
彼岸花というのはご存じのように、お彼岸頃に咲くから「彼岸花」というのだが、彼岸花にはアルカロイドという毒があるため、「毒花(どくばな)」「痺れ花(しびればな)」などと呼ばれてきて、こどもたちが遊ぶのをやめさせたこともあった。その反面、でんぷんを多く含んでいるため食用可能で、毒は水にさらすと抜けるため、昔は飢餓に苦しい時に毒を抜いて食用にすることもあったそうで、田んぼの畦道に彼岸花が多いのは、その毒でモグラや野ネズミを防除するためだけではなく、飢饉に備えて植えたという説もあり、危険を覚悟してまで口にしなければならなかった昔の苦労がしのばれる。
こんな俳句もある。「まこと お彼岸入の 彼岸花 山頭火」というもの。さぬき市長尾の宗林寺の境内にあったもの。まことに、お彼岸の頃になると出てきて花を開かせる花なのである。
この植物は、春先には葉っぱが伸びて栄養分を球根に貯蔵し、秋になると、このように茎だけが伸びてきて、その先端に花をつける。
午後からはまたもデスクワーク。調べてきた記事をまとめたり、新しい情報を探してみたり・・・。そうそう、11月分と12月分の行事予定も入力しておいた。
まだ、9月の中旬だというのに、11月、12月の行事予定は早いと思うが、月日の流れなんてあっという間なのだ。もうしばらくしたら、来年用の暦とかカレンダーとかを用意しなくてはならなくなる。人生なんてあっという間だ。
時期的に言うと、そろそろと、お彼岸用に自宅の周囲の草刈りやお墓回りの草刈りもやっておかねばならない時期か。明日は納め札の調査と図書館へ本の返却に行く日だな。水曜・木曜と草刈りをすれば、ご法話の準備があれあれあれ・・・になってしまう。
今日の掲示板はこれ。「涼しさや 弥陀成仏のこのかたは」という小林一茶の俳句から。振り返ってみればあれほどの猛暑もいつしか遠ざかり、「さぶぅなったなぁ」と挨拶を交わすようになった。地球温暖化だ、環境保護だと騒ぐことは簡単だが、もはや文明生活を手中にした限り、私たちがそれを手放すことは容易ではない。いまさら、ろうそくや井戸水の生活には戻れないのは百も承知だ。阿弥陀さんはそんな私たちのありさまを救おうと、五劫という永い間、ひたすら思惟してくださり、成仏されたという。人間の思考や歩みをはるかに越えた、悠久の過去から、そしてまだ見ぬ未来へ向けて大きな願い(本願)をかけてくださっているのだとも言う。しかしながら、今のごとき念仏なき生活からは一茶の感じた風ほども聞きとることはできないかもしれないなぁと思ったことだった。
じゃぁ、また、明日、会えたらいいね。