京都地方は、気圧の谷や湿った空気の影響で雲が広がり、前線を伴った低気圧が近づいてくるため、雨となってきた。気温は17.2度から27.7度、湿度は95%から58%、風は1mから2mの東北東の風が少しばかり。天候は晴れから曇ってきて夕方からは雨になった。明日のさぬき市地方の30日は、前線や湿った空気の影響で明け方まで雨が降るけれど、その後は高気圧に覆われて次第に晴れる見込みらしい。
土曜日の夜には弟たちと食事会。そこへ娘と孫のなぎちゃんたちも参加しての「ほたるの会」になった。ホタルの乱舞も楽しんで早めに寝てしまった私であった。
そして、日曜の朝は5時起きの5時半にわが家を出発。6時にさぬき市役所に集合。6時半にバスは京都市内に向かって走り出した。「おへんろつかさの会」の研修旅行で、「富田仏師の工房を訪ねる旅と仏師から見た京の仏像巡りツアー」という旅の始まりである。
今回の研修会には「つかさの会」会員25名が参加して、京都市内五条にある「京仏師・富田工芸」さんのオープン・ギャラリーに寄せていただいた。
富田睦海(Mutsumi Tomita)さんは1978年生まれ。高校卒業後、家業である仏像彫刻に従事するため父親に師事。その後、兄と共に独立し、数々の寺院彫刻や仏像修復、皇室位牌修復などを手がけ、 2010年、その彫刻技術を生かしたシルバージュエリーブランド「睦海」を立ち上げた。富田さんは親子三代に渡り、この京都で「御仏像・京仏具」の製作に従事しており、時を重ね受け継がれてきた最高峰の技法を、京職人として見倣い、彫刻という分野の中で、各宗寺院の仏像や仏具など様々な製作に携わっている。
このオープン・ギャラリには制作途中の仏像や修復途中の仏像などが展示してあって、それを使って、仏像の制作方法や接着技法、「金箔」、「金粉」「切り金」などの手法についてなど、専門的なお話を聞かせていただいた。みなさん、熱心にメモを取りながらのお勉強になった。
この富田先生をさぬき市の志度寺にお迎えして、「彫像会・わらべ地蔵を彫る」という研修会を5回に渡って開いたことから、この工房見学が実現した。
これは制作途中の「金剛力士像・阿形」である。後ろにある平面図の「下絵」を元に、モクの一木造りで像を刻んでいる過程である。計算しながら下絵を引きながらの彫り進めの状態。仏像は、こうして作られていくのか・・・ということを実感した。
その後、近くにある「六波羅蜜寺」を見学。六波羅蜜寺 は、京都府京都市東山区にある真言宗智山派の寺院である。山号は補陀洛山。本尊は十一面観音。開基は空也上人。西国三十三所第17番札所。
時間的に宝物館には入れず、この有名な「空也上人像」を拝観することはできなかった。
その後、平安神宮前にある「アミタ本店」で昼食。京料理をいただいた。
ここは外国人観光客用のお土産が置いてあって、お店に来る人たちは外国人が多かった。
その後、向かったのが「三十三間堂」である。ここで富田仏師から、ここの仏像の特色、見方などについてのレクチャーを受ける。三十三間堂は京都市東山区にある仏堂。建物の正式名称は蓮華王院本堂。同じ京都市東山区にある天台宗妙法院の境外仏堂であり、同院が所有・管理している。元は後白河上皇が自身の離宮内に創建した仏堂。本尊は千手観音で、蓮華王院は千手観音の別称・蓮華王に由来する。
建物内は「撮影禁止」のため、画像はネット画像から。内部はこのような千手観音が千体いるのだという。ここは「院派」「円派」「慶派」の流れを組む仏師の作り上げた「総合芸術展」であるという。だから、同じように見える仏像だが、それぞれに個性があって作風が違う。誰か知り合いに似た人がいるとか、逢いたい人の顔があるとか・・タクシーの運転手さんが中学生や高校生に説明していた。
中央に安置されているのが「丈六仏」の千手観音座像である。丈六仏とは 仏像の背丈 (丈量 ) の一基準。仏は身長が1丈6尺 (約 4.85m) あるといわれることから仏像も丈六を基準とし,その5倍,10倍,また2分の1などに造像された。坐像の場合の丈六像は半分の約8尺(2.43m)であるとされている。
次いで向かったのが「東寺」である。東寺は、京都市南区九条町にある仏教寺院。真言宗の根本道場であり、東寺真言宗の総本山でもある。「教王護国寺」とも呼ばれる。山号は八幡山。本尊は薬師如来。寺紋は雲形紋。 東寺は平安京鎮護のための官寺として建立が始められた後、嵯峨天皇より空海に下賜され、真言密教の根本道場として栄えた。
ここも堂内撮影禁止のためネット画像から。木造薬師如来及び両脇侍像(重要文化財)で、金堂(本堂)にある本尊である。中尊の像高2.88メートル、台座と光背を含めた総高は10メートルに達する巨像で、中尊の光背には七仏薬師像を配している。台座の懸裳の下には薬師如来の眷属である十二神将像が配されている。仏師康正の作で、日本の仏教彫刻衰退期である桃山時代における佳作である。薬師如来像が左手に薬壺を持たず、坐法が左脚を上にする降魔坐である点、台座を古風な裳懸座とする点などに復古的要素が伺える。
講堂の中立体曼荼羅である。ここにもタクシーの運転手さんが中学生や高校生に小声でひおひそとガイドしていて、立ち止まることもできない状態。その後、雨がぽつりぽつりと降り出してきて、早めに出発して帰路についた私たちだった。
今日の掲示板はこれ。「自分の幸せは自分で決めていい 今のまんまそのまんま だからあなたはそのまんまでいいよ」というもの。「遊書家 とし」さんの言葉から。 「自分の幸せって自分で決めて良いんですよねぇ~。だから、今のまんまの自分でも幸せだったりするんですよねぇ~。だ から、そのまんまの自分でいられることが幸せだったりするんですよねぇ~。なぁ~んて、ふと思ったトシでした♪。みなさんに幸せな事が起きますように ♪ 」と云うことだった。
じゃぁ、また、明日、会えたらいいね。