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Channel: まほろば自然博物館
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蕎麦の花 熟れてこぼれる 遍路道

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 さぬき市地方は高気圧に覆われて晴れていた。気温は14度から23度、ぐんと涼しくなった。湿度も80%から54%、風は2mから3mの北北東の風が少し。明日の9日は、引き続き高気圧に覆われて概ね晴れる見込みらしい。

 

 昨日の山頭火の句碑探しがうまくいったので、昨夜の(というか今朝方の)夢見が良かったので、その夢のように歩いてみようということで、五名山村経由で大窪寺に向かった。

 

 途中でおばちゃんが「丁石」にお花をあげていたのでお話を伺った。「普通の道しるべならお花もあげんのやけど、おだいっさんが彫ってあるけん、おまいりするんやがな」と言うてはる。「丁石」というのは、お地蔵さんをほった舟型の石が、道のはしにひっそりと置かれている。これらは,『十丁』とか,『二十二丁』とか、丁数がきざまれていることから,『丁石』と呼ばれている。『丁』とは,昔の距離の単位で、今の距離の単位に直すと,1丁は,およそ109m。ちなみに36丁が1里でおよそ4?になる。

 

 この丁数の増減を、目的とするお寺までの道のりの目安としたのであろうう。丁石は、ふつう、山道にさしかかるところからお寺にかけて置かれ、平地部ではほとんど見かけない。きつい遍路道の山道を、あえぎあえぎ登るお遍路さんにとって、丁石はつかれをいやす、よき道案内となっていたことであろう。

 

 これは長尾寺から大窪寺へ向かう途中、大窪寺のすぐ手前側である。この国道377号線と書いてあるあたりが「八丁石」だろうか。

 

 あと、八丁で大窪寺に着くよ、という目印である。この付近の旧の遍路道沿いに、山頭火の句碑があるらしいのだが、それがわからない。この石の裏側に回って、旧の遍路道に降りてみたが見つからない。

 

 こんな立派な標柱があるのならば、このあたりに建てておいてもらいたいものだが見つからない。蜘蛛の巣を払いながら、遍路道を何度も上下してみたが見つからない。あの夢のようにはうまくいかないのか。

 

 こういう句碑がある筈なんだが、見つからない。上にシダのようなものが見えるので、シダを目標に探したのだが見つからない。「夜が長い谷の瀬音 とほくもちかくも」と刻んである。

 

 お寺に戻って、副住職の「光容さん」に聞こうとしたら、今日からご本尊の特別開帳が始まっている・・・。寺務のおばさんに聞いたら、「地獄谷というのは聞いたことないわぁ〜」と言うてはった。

 

 光容さんも素絹に五条袈裟姿でご法務中。来週あたりに再度、お邪魔することにしようか。

 

 今日もお天気がいいからか、大勢のお遍路さんがおまいりだった。

 

 午後からは、例によって例の如く、データのスキャニング。大正時代に二十四歳の女性がお遍路をして、それを九州の新聞に「娘遍路」という記事を書いて話題になった。「高群逸枝:たかむらいつえ」さんという方だった。その頃のお遍路の記録だからすごい。「お修行」という「行乞」をして、お米やお金をいただきながら回るのだし、病気遍路や悪行遍路もいるし、脱落者や逃亡犯もいるし・・・。そんなあやしい四国路を娘さんのお遍路は歩き続けた。

 

 丁石にお花をあげていたおばあさんと話したことだったが、そういうおへんろさんがいなくなって久しくなった。今のうちにまとめておかないと、やがては記憶から消え去ってしまうことだなぁと思ったことだった。

 

 今日の掲示板はこれ。「ときどきは息抜きをする それが生き抜く力となる」というもの。お遍路の先生である「桜谷権大先達」さんが言うことばに、「お遍路は三こうである。健康(けんこう)・観光(かんこう)・信仰(しんこう)である」らしいし、そのお弟子になった白山さんは、「年寄りは、今日行く(教育)、今日、用(教養)が大切でっせ〜」というが、似たような発想だなと思った。私は毎日、息抜きばかりをやっているのだけれど。

 

じゃぁ、また、明日、会えるといいね。

 


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