さぬき市地方は、東シナ海を北上している大型で強い台風第19号の外側の雲が広がり、夜には雨が降り始め、13日未明から強風や高波のおそれがあるらしい。気温は18度から25度、湿度は88%から64%、風は1mから5mの東の風が強くなってきた。明日の13日は、台風第19号が北東に向きを変えて接近するため雨となり、夕方からは局地的に雷を伴って非常に激しく降る所がある見込みらしい。
心配された台風19号の影響はまだまだみたい。朝の7時にさぬき市志度にある86番札所の志度寺に集合して、書院をお借りしての彫像会。一応の準備ができたらさぬき市役所に車を移動して、そこからマイクロバスで志度寺に入る。
というのも、この日はこの町にある「多和神社」の秋の例大祭の日。「ちょうさ」と呼ばれる山車が志度寺周辺を通るために交通規制がかかって、車が移動できなくなってしまう。向こうに見えるのが志度寺の山門。車の乗り入れはシャットアウト。
主催者が集めたゲストさんは32名。仏師さんは10名をサポートできるのが精一杯。今回は3人の仏師さんがおいでになるので30名プラスアルファーということで32名。一つの島(グループ)が8名、その島が3つで32名という計算らしい。あと、サポート側、関係者が20名弱。計50名少しの彫像会になった。
先生は京都からお招きした「富田先生」と、そのお弟子さん2名。若い仏師さんである。
今回、使用するのはこういう木曽ヒノキのこうした素材。あらかじめ加工されている。半日、5時間コースではこれでもまだまだ時間が足りないほど。これを三本の彫刻刀で彫って行く。
私も時間があるので、彫ってみることにした。全く、自信はないが、ま、おつきあいという感じ。子供の頃に、こけしを作ることが流行ったんだけれど、私は全く、こけしにならずにトーテムポールになってしまった。
みんな、真剣に言葉を失ったように掘り進めている。
まず、合掌する手の部分、顔、頭、耳、鼻あたりが午前中の作業。これが難しい・・・。みんな、安全のために利き手の反対側の手には手袋をしている。これも貸してくれる。彫刻刀も。
この人が、彫像会の発案者兼責任者の「長尾さん」。いつも作務衣姿の世話役さん。
こちらが女性仏師の「木村さん」。みんな、困ってもいないのに、「すみませぇぇん~」と、この木村さんを呼ぶ。すっかりと彫像会のマドンナになっている。ファンクラブまでできたようである。
お昼は、この「無染庭」という、このお寺の自慢のお庭を見ながらのお弁当。この周辺にはお店もコンビニも売店もないので、各自それぞれのお弁当持参での彫像会である。
午後になると、飽きてきた人や、余裕ができてきたのか、会話が多くなって、無駄口や冗談も飛び出すようになる。
私の、こんなだった木のかたまりが・・・。
こんなになってきた。まだまだ、荒削りだが、時間オーバー。
最終はこんな形になる予定。なかなかにお地蔵さんを彫るにも時間がかかるなぁと思ったことだし、素養もセンスも努力とかひらめきとかも必要だなぁと感じたことだった。
今日の掲示板はこれ。「気にせず、苦にせず、あてにせず」というもの。これができたら、どんなにか人生は楽しいだろうと思うのだが、なにかことがあれば気にしてしまうし、少しのことでも苦になるし、そういうときには誰かをあてにしてしまうもの。ま、そうでありたいなぁとは思う今日このごろである。
じゃぁ、また、明日、会えるといいね。