さぬき市地方は高気圧に覆われて晴れていた。気温は26度から34度、場所に依ったら35度を超えていたかも知れない。湿度は91%から67%、風は1mから2mの南南東の風が少しばかり。明日の5日は、引き続き高気圧に覆われて概ね晴れるらしいが、午後は大気の状態が不安定となるため、雨や雷雨となる所がある見込みなのだとか。
朝の5時起きで、水中ポンプの修理をして、東の津田川からの水をポンプアップして、奥方は野菜の水やりに余念がない。
恒例の「俵札調査」も一段落したので、八月いっぱいはお休みさせていただいて、夏休みの自由研究の調査活動。あそこがいいか、ここがいいか・・と考えていたが、その途中でトイレ休憩のために立ち寄ったところ・・・。
あの有名な「肝試しポイント」の前だった。ま、昼間だから怖くはないので、その前で失礼して・・・。しかしのかかし、こんな立派な建物を残して教祖様はどこへ行ったんだろうか・・。もったいないが、私はここに住みたくはないので早々に失礼した。
で、13位ぐらいの目的地の「坂出市塩業資料館」に寄ってみた。香川県は、かつて坂出を中心に広大な塩田が開発されてきた。塩は、砂糖・綿と並んで”讃岐三白”のひとつに数えられ、坂出は全国でも有数の塩生産地として、その名を知られるようになった。この資料館では古代からの、主な塩づくり方法を見ることができる。ごく初期の土器製塩の頃の出土片からはじまって、入浜式塩田がどのように行われていたかを多数の道具とリアルな模型で見せるゾーンから始まる。
藻塩製塩、揚浜式製塩、入浜式製塩と続き、昭和になると、「枝条架式製塩」が行われるようになる。
久米栄左衛門が開いた塩田をきっかけとして,香川県では全国の塩の3分の1を生産するほどになったが,昭和30年代になって労力10分の1,生産量2倍という流下式塩田(枝条架を併設)が導入された。しかし、この画期的な塩田もわずか15年でその歴史に幕を閉じ、代わってイオン交換膜を用いてかん水をとる現代の方法が開発された。その後、製塩技術の発達とひきかえに、広大な塩田はしだいに工業用地や住宅に姿を変えてしまったけれど、そうした歴史を忘れてはならないなぁと思ったことだった。
この人が「久米栄左衛門通賢」さんである。次には、この人を取り上げてのお話を考えている。
で、今日の目的地はここ。瀬戸内海歴史民俗資料館である。瀬戸内海歴史民俗資料館は、瀬戸内地方の歴史、民俗等に関する資料の収集、保管、展示、調査及び研究を行うことによって、郷土の歴史と文化財に対する認識を深めることを目的として設立された施設である。
夏のテーマ展では、「くらしの中の信仰-祈祷札(きとうふだ)・守り札・魔除け(まよけ)の民俗-」展がはじまっている。医者もいない、医者にかかる費用もない時代に民衆は何に助けを求め、何に癒やしを求めたのか・・・ということを考える展示である。このお札は、田植えの前、苗代に水口(水の導入口)に飾った、「水口(みなくち)まつり」の「ゴオウサン(牛王さん」のお札である。これで、稲の収穫と豊作を願ったのである。
これは、しわく広島、江の浦に伝わる「ウシハナシ」の牛の飾りである。でも、私が聞いた限りでは、「そんなことはしなかった・・」と誰もが言ったのだが・・、未だに記録では、「広島・江の浦のウシハナシ」となっている。
これは、門飾り、玄関飾りの「魔除け」である。「わが家には、鎮西八郎為朝さまという強い人がお泊まりである」という看板である。
これは、カニの甲羅の魔除けである。いろいろと考えたものだなぁと感心するばかりだった。
これは、今でも塩飽本島で行われている「虫送り」の行事である。古くから日本では、農業、漁業ともに自然頼み神頼みであり、多くの祈祷札や守り札が寺社から出され信仰されてきた。また、日々のくらしの中では、疫病や邪気を防ぐためのまじないや魔除けが欠かせないものだった。ここでは、家内安全や五穀豊穣、大漁祈願、航海安全、魔除けといった、くらしと密接に関わったお札などの収蔵資料を中心に紹介し、そこに生きた人々の祈りや願いについて考えることになっている。
今日の掲示板はこれ。「夏たけて 掘りの蓮の花みつつ 仏の教え思う朝かな」という昭和天皇のお歌である。 夏の訪れと共に、毎年思い出して胸を詰まらせる、昭和天皇の辞世のお歌として知られている。不治の病に苦しまれた晩年のある日、静かに詠まれたこの一首が最後の辞世の歌となった。皇室の宗教は「神道」であるが、仏教にも深い関心を寄せておられたことがうかがえていたましい。ご存じの通り、天皇家は皇宮神道の宗家本元。その家元さんが蓮の花を愛でて、お釈迦様の教えを改めて知った・・・というお歌を詠まれている。キリストさんがお釈迦さんの説法に感激した・・・みたいなことだ。実に謙虚で誠実な人柄が偲ばれるではないか・・・。私たちにもそんな謙虚さや誠実さがあるだろうか・・・。
じゃぁ、また、明日、会えるといいね。