さぬき市地方は前線や湿った空気の影響で太平洋側を中心に雨が降っている。気温は22度から27度、すっかりと涼しくなった。湿度は89%から78%、風は2mから3mの南の風が少しばかり。明日の31日は、前線や低気圧の影響で雲が広がり雨が降りやすく、雷を伴う所がある見込みらしい。
「準備ができました」と言うので、「ほ~い」と、さぬき市津田町の公民館にやってきた。昨日は「津田町史」を借りて来たのだが、本当は「寒川町史」が欲しかったので取り替えてもらってきた。
で、寒川町史を借りて来て、「真嶋正市」という人のことを調べていた。
香川県下で最初の文化功労者で「応用物理学の父」と呼ばれる人であった。「銃器の発射に伴う金属の反射運動」とかという一風変わった物理学者さんだった。
さて、寒川町史の下敷きになっている、これらの本。讃岐のおもしろ人物をまとめた本なんだけれど、この中に、こんな人のお話があった。「讃岐おもしろ人物図鑑パート2より」
「丸亀万象園を再現・五重塔建築に才能」
真鍋 利光 丸亀市中津に旧丸亀藩のお庭『万象園』があるが、この松を一本も枯らさず庭を再現、公開したのが真鍋利光である。
昭和二年三豊郡詫間町に生まれ、県立三豊中学を卒業、建設業をはじめ昭和二十八年に富士建設を創業した。建設業は県内中堅企業にまでなったが彼は少年時代から抱いていた「文化」に強い関心を持ち、荒れ果てていた旧丸亀京極家のお庭を入手して再興、自費で公開するまでにこぎ着けた。経営する富士建設事業部の運営として資金をつぎ込んでいった。
この庭に美術館を建設、館長になり、購入したバビルゾン派の絵画などの名画を展示する一方、定期的な企画展も開いてきた。
本業の建設業に力を入れると共に芸術・文化に深い関心をもっていて美術館建設設は若いころから夢であった。園内には万葉集の柿本人麻呂の和歌の碑を建立したり、殿様の茶屋を再興するなど地方文化の向上に寄与した。臨海道路の延長で一部が削られるハプニングもあったが彼の意向通り園は新名所になっている。
高知五台山の竹林寺の五重塔建築についてはその秘話を豪華本にまとめて出版している。塔を造るためにインドの仏塔の研究までし、工事の終わる間際に物凄い暴風雨が高知を襲った。彼は豪雨の中、塔の脇でずぶ濡れになってたたずんだが本体はびくともしなかった。五重塔建築を出来る業者は少ない。のちには茨城県の寺でも五重塔を建築した。また考古学の田村実造博士ら多くの学究にも知己が多く、彼の五重塔の本には専門家も寄稿している。もともと真鍋本人が学究肌で勉強熱心だったのである。
古美術、西洋美術、陶器など幅広い知識の持ち主で、万象園内にも美術館のほかに陶器館、ひいな館なども作っていてオリエントについてはオリエント協会の香川県支部をつくり自ら事務局長になり、三笠宮崇仁親王をお招きしての講演会なども開いたりした。美術、歴史など幅広い文化人でもあった。
病魔に侵され手術後、東京の三井記念病院に入院していたときも窓から見える東京の下町の風景を見ながら「バブル崩壊で不景気というがクレーンは林立しとる」と、建設工事の状況を分析するという根っからの建築屋でもあった。平成四年春六十四歳で死去。
今日のさぬきは雨。明日も雨になるらしい。「晴耕雨読」が似つかわしい晩夏の風景である。
今日の掲示板はこれ。「「思えば叶う」 そうなりたい そうなると信じる そのように努力する そうすればそうなる」という高橋福八さんの言葉から。そうなりたいと願い=願と、そのように努力する=行とが揃えば、「願行具足」ということで、ものごとは成就する。願いだけでは物事は叶わない。努力ばかりでも物事は叶わない。そうなりたいという願望と、そうしたいという行為があってこそ、物事が叶うのだと、高橋さんは言うているのである。
じゃぁ、また、明日、会えるといいね。