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Channel: まほろば自然博物館
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ようやくに もみじ染めにし 山の寺

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 さぬき市地方は大陸からの高気圧に覆われて概ね晴れていた。気温は11度から18度、湿度は68%から50%。風は2mから4mの木の風が少しばかり。それでも風が吹くと肌寒さを覚えるようになった。明日の11月1日は、高気圧に覆われて概ね晴れるらしいが、気圧の谷の影響で夕方から雲が広がり、夜遅くには雨の降る所がある見込みらしい。

 

 朝の8時半のフェリー「しわく丸」に乗って島を出た。丸亀港には9時10分に到着。約1時間半ほど走ってさぬき市に戻ると11時前。

 

 ついでだからと、みろく自然公園内で行われている「みろく菊花展」をのぞいてみた。ここには通称「みろく池」という池がある。本当は「奥池」というのだが、この池の改修工事中に「石仏」が出た。このことから、このあたりの地名を「いしぼとけ」といい、その石仏から「みろく池」というようになったというらしい・・・。で、このあたりの公園を「みろく自然公園」と呼び習わしている。

 

 この真ん中の判然としない石仏が「弥勒菩薩」らしい・・・と言い伝えられている。

 

 ご覧のように、「弥勒」とは書かずに、全て「みろく」と書いてある。で、これが菊花展の会場である。

 

 厚物は三本仕立てで、一本の茎から三本の茎を伸ばし、奥の一本を背を高くして、前の二本を同じ高さに育てるという基本形だが、なかなかに、そうは言っても揃わない。で、前に置く菊は背が低く、奥に行くほど背が高く仕上げてある。中にはブロックなんぞを置いて調整してあるものもたまにあるのだけれど。

 

 で、花もだけれど、この葉っぱのツヤとか色合いとかを褒めると喜ばれるのである。

 

 こちらは「管物(くだもの)」である。これも全体のバランスを見る。自然のものだから、簡単には背丈の調整が難しい。

 

 で、そのまま走って、さぬき市の奥の奥にある、四国霊場88番札所の大窪寺にやってきた。この黄色くなっているのが境内にあるイチョウの木である。イチョウなんだが、ここにギンナンが落ちているのは見たことがない。手前の赤色は紅葉したモミジ。

 

 もう一部の先端部は真っ赤になっているが、全体的には紅葉はまだまだ・・・。

 

 先っぽだけが色づいて、少し黄色みがかったりしているが、バックのように緑色が7割から8割ほどに。

 

 境内に進むと、イチョウの下の方はきれいに色づいている。お遍路さん達が「わぁ、きれい・・」とか、「わぁ、すごい・・」と歓声を上げているが、もう、少しばかりだろうかね。

 

 あ、こうしてみるときれいになった。

 

 このお遍路さん、「結願(けちがん)証」を手にしてじっと感慨深そう・・・。何度も見直したり、スマホで何枚も撮影したり・・・。

 

 こういうものらしい・・。

 

 今日の掲示板はこれ。「秋の紅葉は美しいけれど 光があるから目に映える」というもの。雨の日や曇った日に、大窪寺の紅葉を見ても少しも美しくは見えない。同じものなのに、晴れていれば美しいと感じ、曇っていれば少しも美しいとは感じられない。まさに光があるからこそ、目に映えるのである。真っ暗な闇夜に紅葉を見ても、紅葉は見えない。真っ白な濃霧の中や朝霧に立ちこめるあさぼらけの中でも紅葉は見られない。そこに闇夜を切り裂くような光が 差し込んできたとき、ものごとの姿が現れて輝き、秋の紅葉が浮かび上がる。それこそが真実であり、それこそがまことである。私たちの生きるという誠は美し いけれど、さらに、それを照らし出す「光」があるからこそ、輝いて見えるいのちなのである。

 

じゃぁ、また、明日、会えたらいいね。


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