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Channel: まほろば自然博物館
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一仕事 終えて水仙 見つけたり

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 さぬき市地方は高気圧に覆われて概ね晴れていた。気温は4度から10度、湿度は63%から44%、風は2mから5mの西南西の風が少しばかり。明日の10日は、高気圧に覆われて晴れるらしいが、気圧の谷の影響で夕方からは雲が広がる見込みなのだとか。

 

 今日は、さぬき市観光協会主催の「おへんろつかさ養成講座の七回目講義と閉講式の日。私らスタッフは8時半集合で駐車場係。空気は冷たかったが、風が弱い分だけ楽だった。

 

 受付は8時半から9時まで。私らも9時過ぎには上がりになった。8月2日に始まった平成27年度おへんろつかさ養成講座も、今回でおしまいになる。また、8月から28年度養成講座が予定されている。今度は10期生になる。

 

 当初は20名程度の募集だったが、近年は30名を越える応募者があり、熱心な方ばかりになっている。お遍路さんの案内役は「お先達さん」。私たちは、「上がり三か寺」と呼ばれる、86番志度寺、87番長尾寺、88番大窪寺というさぬき市にあるこれらのお寺を中心とした観光ボランティアガイドである。

 

 今日も30名の受講生が集まっての最終講義。最初は香川大学教授の大賀睦夫先生による「四国遍路における再生プロセス」という講義だった。不登校の子が歩き遍路をして登校するようになった。夫をなくした妻が遍路によって立ち直った・・・というような人生の再生がなぜできるのか・・。お四国病院と呼ばれる働きはどうして起こるのか・・・というような講義だった。

 

 「自分は生きているのではなく、生かされている」とか「いつも当たり前だと思っていたことが、そうではないことだと分かって涙があふれた」とか「緑の葉っぱが枯れて土に戻るように、私も土に還る。恐れる物は何もない」などという自分の変化を知ることができる・・・。

 

 二講座目は、同じ香川大学教授の稲田道彦先生による「納経帳から読み取る遍路の旅」という講義。古書店で手に入れた安政年間の古い納経帳から何が見えてきたのか・・・。

 

 皆さん、講義を受ける目は真剣そのもの。今の私には、それだけの真剣さがあるかなぁと、自問自答するばかりだった。

 

 安政元年に起きた南海地震によって土佐の道路が破壊され、経済が大打撃を受けたために、土佐藩と宇和島藩は遍路禁止令を出した。このため、土佐藩に入ることはできず、阿波から石鎚経由で伊予に入るという「三国参り」が行われたことを、古い納経帳から読み解くという講義。

 

 その後、閉講式が行われ、大山茂樹さぬき市長からお祝いのご挨拶をいただいた。

 

 そして受講生には修了証(4回以上出席)・参加証(それ以下出席)が授与された。

 

 その後、受講者全員の集合写真撮影。それが終われば、「おへんろつかさの会」会長から、「おへんろつかさの会」とはどういうものか、どういう活動を行っているのか・・・というお話があり、「つかさの会」に入ってください・・・というお願いをした。現在の会員数は200名余り。

 

 今日はさぬき市のケーブルテレビ局からも取材が入っていた。その後、意見交換会があって、13時半には全ての予定が終了した。

 

 今日の掲示板はこれ。「悟りの花はどこに咲く 悩みの池の中に咲く」というもの。今日の大賀先生の講義の中でも、お遍路に出るきっかけはさまざま。リストラや失業や退職、不登校から病気、怪我、失恋・・・さまざまな悩みを苦悩を抱いて人は遍路に出た・・・。そして、涙を流し、雨に打たれ、嵐に揉まれながら、再生していく。感謝や奉仕や悟りを得て、再び人は社会へと戻っていく。悟りはお釈迦様だけの専売特許ではない。「生かされている」、「感謝の心が生まれた」、「思わず合掌した」・・・。それらだって立派な「悟り」ではないか。

 

じゃぁ、また、明日、会えたらいいね。


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