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二つ三つ山を隠して春の雨

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 さぬき市地方は、冬型の気圧配置となるため曇っていた。午後からはときおり陽の光がこぼれていたがやがて雨になった。気温は5.5度から9.0度、湿度は74%から56%、風は3mから6mの西の風が少しばかり。明日の7日のさぬき市地方は、冬型の気圧配置となるため曇り、朝は雪が降る見込み。

 

 121/61/78 36.3c-95% 63.2Kg 22.0c-40%-1020hPa 体調に変化はない。依然として肩こりからか右耳が詰まっている感じと歯茎が腫れていて食事が辛い。

 

 肩こりだからパソコン作業をやめたら楽になるのだろうと思いつつ、2020年の会計処理。表題は2020年度にはなっているのに、この帳簿は2020年分会計帳簿である。

 

 こちらは銀行口座の会計帳簿。ここから引き出されたカード出金分はブラックスボックスになっているので、そちらは、「ウキウキ家計簿」で管理しているので、その帳簿と付き合わせて総合会計帳簿に整理する。

 

 それはさておき、今日は高松市内にある「香川県立ミュージアム」に出掛けてみた。我が家からは45分から1時間ほどの距離になる。

 

 今回の高松展では、重要無形文化財保持者(人間国宝)の作品42点をはじめ、受賞作品及び四国在住作家の入選作品など計200点を展示している。このうち、香川在住作家の作品が15点ある。展示点数は200点(内訳:陶芸37点、染織15点、漆芸80点、金工17点、木竹工18点、人形9点、諸工芸24点)である。 

 

 これが、日本工芸会総裁賞を受けた「乾漆平文蒔絵漆箱(かんしつひょうもんまきえうるしばこ)」の「氷壁」という須藤靖典さんの作品。吹雪で叩き付けられ岩壁に積もった雪が氷へと変化する、厳冬の静寂な夜が表現されている。

 

 時節柄か、入館者はぽつりぽつり。入館者には「マスク着用・せきエチケット遵守・アルコール消毒云々・・」の注意書きが渡される。(画像はネットから)

 

 これが東京都知事賞の「真珠光彩壺(しんじゅこうさいつぼ)」で中田博士さんの作品。螺旋状の曲線を描いて上昇していく稜線が口部分に集中して張りのある球状が微妙で心ひかれる。凛とした白磁色がその魅力をより強め、さらに細い線条に輝いている部分がある。単純なのになぜか見つめてしまった。

 

 これはNHK会長賞の「紙胎皺矢羽根文箱(したいしぼやばねもんはこ)」で人見祥永さんの作品。素材は京都黒谷の和紙で、木型に漆で貼り重ねた素地の上に、しわ寄せてから切ったパーツを矢羽根形に貼り合わせてある。東南アジア産の玉虫の翅を貼った青緑色に輝く帯と夜光貝の白い線が、凹凸のある和紙の面を引き締めている。

 

 こちらは、文部科学大臣賞を受けた「久留米絣着物(くるめかすりきもの)」の「光芒(こうぼう)」という松枝哲哉さんの作品である。藍のように深い暗闇の中に、夜空の星空に似た光がほとばしるような作品。白い木綿糸を括り、藍の濃淡で染めた糸を織り上げることで初めて現れる景色には、引き込まれるような深みがあった。

 

 今回の人形にはこころ惹かれる作品は見られなかった。

 

 最近、坂出市あたりから「マイ甲冑を作ろう」という運動があって、ロビーに、県下の中学生が作った「マイ甲冑」が展示されていた。戦う甲冑の形を借りたお絵かきみたいな漫画チックな甲冑が並んでいた。

 

 今日の掲示板はこれ。「生かさるる いのち尊し けさの春」という、町内の善楽寺にあったもので「中村久子」さんの句である。中村久子さんは、1897年、飛騨の高山で誕生し、三歳のとき突発性脱疽に罹り、両手両足を無くされた。中村さんは、その障がいの事実を真正面に引き受けて、人権意識が未成熟で障がい者への差別の厳しい、生きていくのも非常に困難な時代を、女性として、母として、そして何よりも一人の人間として72年の生涯を生き抜かれた。晩年詠まれた「手足なき身にしあれども生かさるる今のいのちはたふとかりけり」に、自己の「身の事実」を機縁として、真実の世界に目覚めていくという、中村さんの心の軌跡が窺える。 春は、全ての「いのち」をはぐくみ、育てる自然の営みの尊さをひとしお輝かせて見せてくれる。中村さんは、その中に生をうけ、生かされている自らに気づかされ、その事実によろこばれたことと思われた。目覚めるたびに今朝も生きているとの確認は、生かされていることの体感であり、実感であったのであろう。その体感が苦難の中を精一杯生きる力となったものと思われる。「今日のことば(句)」は、新しい春を迎え、あらためて人間の存在の真実を考えさせてくれるものであろう。

 

じゃぁ、また、明日、会えたら、いいね。


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