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Channel: まほろば自然博物館
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旅に出て 生きる苦悩に 満ちる秋

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 中讃地方は高気圧に覆われて概ね晴れていた。時折、雲がかかったが、さほど気にはならなかった。明日の15日は、気圧の谷や湿った空気の影響で、朝まで雨が降るらしいが、その後は高気圧に覆われるため次第に晴れてくる見込みらしい。

 

 今日の気温は今年最低の5度から16度。湿度は72%から52%。風は1mから2mの北北西の風が少し。

 

 今日は、しわく広島の「島案内人プロジェクト」の「島外研修会」で、三豊市詫間町沖にある「粟島」訪問の日。朝の7時からおむすびなどのお弁当を作っての準備をして、10時過ぎに江の浦港に集合して、この、チャーター船に乗って、粟島に向かう。

 

 こういう感じで、男女混合で30名ほどの団体さん。男性が案外と多いのにびっくりした。そもそもの出発点を知らないのだけれど、「島を案内するボランティア・ガイド」を養成する講座・・・という風に聞いてはいたのだけれど、高齢の男性が多いのに「あれれ・・」と思ったわけだ。

 

 粟島は三豊市詫間町粟島ということで、ごらんのように、三つの島が砂州でつながって、プロペラ型になっている島である。

 

 島には、こうした、漁業用のウキを使った「ブイブイ人形」があちこちに置いてある。

 

  船乗りの島にふさわしくスクリューの形をしており、かつては北前船の寄港地として栄えた。明治30年設立の国立粟島海員学校は、日本で最初に村立(当初)で開設され、海運業界に多くの人材を送り出してきたが、昭和62年廃校となり、90年余の長い歴史に幕を閉じた。その跡地は、粟島海洋記念公園に新しく生まれかわり、島のシンボルとなっている。

 

 面積は3.68平方km 、周囲は16.5km。世帯数はおよそ190世帯、人口は330人。戦後は3000人がいたというからすっかりと過疎の島になり、数年前には子供の数はゼロとなって、小学校も中学校も保育園も休校のまま。うちのしわく広島と似たような数字。

 

 上のマップの左上にある「西浜」という地区まで歩いて行って、そこにある古民家をリフォームしたカフェが会場となった。ここで講演会やら討論会が行われた。

 

 こういう感じで、狭いカフェの中での講義と質疑応答。廻船問屋で栄えた島、外国航路などの船員生活で蓄えた資財と潤沢な年金生活の優雅な島の生活。そこにユータン・アイターンの若者の入る隙間はない。それでも、若者を呼び込まなければ過疎化する一方の島の生活。立ち上がる若者と、立ちふさがる島の老人たち。葛藤の中で、この島をどうしてゆくのか・・・という激しい論議。

 

 みなさんは、そこでカフェのご馳走をいただきながら討議を重ねていたが、私はお弁当を用意してきたので、静かな粟島の海を見ながらのランチ。

 

 今はもう、誰もいない・・・海。これを独り占めしてのお弁当。そして・・・昼ビール・・・。

 

 次は、今月末近くの29日の講演会。「しわく広島と咸臨丸。そして、英国士官レキの墓」という贅沢な講演会。なかなかにこのメンバーは手強そう。私もしっかりと「理論武装」しておかなければ・・・。それだし、パワーポイント資料もしっかりと点検しておかなければ・・・。

 

 帰りに立ち寄った、旧粟島小学校。ここも瀬戸芸の会場になっていたようで、その作品とか、ゴミとかが、そのまま残されているのには驚いた。島の人がそうして欲しいというたのだろうか。なんとも無残な光景だった。それが少し残念だなぁと思った。

 

 今日の掲示板はこれ。「掃けば散り 払えばまたもちり積もる 人の心も庭の落ち葉も」というもの。僧侶にとって、庭の落ち葉を掃くことは、自分の心を掃き浄めることに通じるという。釈尊の弟子に、シュリハンドクという者がいた。ものを覚えるのが苦手で、一説には、自分の名前さえ忘れたという。そんな彼に、釈尊は「きれいにしましょう(塵を払わん、垢を除かん)」と教えたという。シュリハンドクは、ひたすら庭掃除に励んだことであるj。ある時彼は、庭掃除が、自分の心の掃除に通じることを悟るのである。

 

 心にも庭にも、落ち葉は、あとからあとから降り積もるもの。日々勤めねばならない。色づく葉は、葉緑素も壊れ、いわば、人生最後の時期に当たる。最後、見事に色づいて、人々を感動させる。そして、落ち葉となっても、やがて土壌の養分となり、新たないのちを生み出す。われわれ人間も、学ぶべき姿ではないであろうか。紅葉目当てのお寺参りも、立派な報恩感謝であると思う今日このごろである。

 

じゃぁ、また、明日、会えるといいね。


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