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Channel: まほろば自然博物館
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枯れ葉という 些細なことに おどろいて

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 東かがわ市地方は冬型の気圧配置となっているため瀬戸内側を中心に雲が広がっていた。気温は4度から10度、湿度は74%から66%、風は2mから4mの西の風が少しばかり。眼の手術をした私にすれば曇った天気は眼に優しい。

 

 とにかくすることがないので、朝食が来るまでベッドに横になっていた。顔も洗えず、テレビもないし、タブレットにも触ってはならないと言われたし・・・。朝食がやってくると、ようやくに手を洗って口をすすいで・・・。

 

 朝食は心臓食の普通食。ご飯も硬いし、野菜も硬い。しかし、おなかが空いているものであっという間に完食した。歯磨きは普通にしてもいいそうだ。朝食後は普通に心臓用の薬を飲んだ。

 こちらがわが第三病棟の一般病室。この扉の奥が「差額病室」。つまりは「個室」で、四室ある。その最高の部屋が320号室。一日が6000円ほど。驚くほどではないが、私の場合は1泊2日だから12,000円弱。奥方は「想定外だわ・・」とぶつぶつ言っている。

 

 個人情報保護のため「在室」の表示しかされていない。

 

 9時前に眼科外来に呼ばれて病室を出てナースステーションを経て、エレベーターホールに向かう。まだ、左目にはガーゼが当てられたまんま。

 

 眼科では担当ドクターからの眼の検査があって、「OK」が出て、「手術は成功」。5人ともみな、無事に手術は終わった様子。全員が「やれやれ・・。良かったね」と喜び合う。

 

 人工レンズを保護するために、こういうシールドを当分は当てる必要があるという。特に夜間に寝るときには・・・。この小さな穴のおかげでわずかに両目で見られるのだが、まったく、ピントが合わないし、左目はぼやけていて、「世の中が変わったように見える」とか、「床のほこりがよく見える」という感覚ではない。「こんな焦点の合わない眼でこれからを過ごすのか・・・」という不安の方が強かった。;

 

 病院にもクリスマスツリーが飾られている。昼食前にも眼科外来に呼ばれて視力検査などが行われた。左目は裸眼で「1.2」。正常だと言われた。あとはメガネで強制できるが、裸眼でも近くは見えるはずだとも言われた。

 

 昼食後にも呼ばれて、眼底検査などを受けて「退院許可」が出た。そうこうしているあいだに、人間の身体は不思議なもので、しだいに両目のピントが合ってくる。そして・・・久しぶりに「立体感」が見えてくる。「あ・・・・見える・・・・」

 

 まだ、完全にものごとが見える訳ではないが、両目で違和感なくものが見える。まだ、完全にピントが合っているわけではないが、今までのような不自由さはなくなった。

 

 このID認識ベルトを切ってもらって退院することになった。二日間の治療費は約10万円。もちろん、普通の病室で過ごしたら、もっとお安くなった筈。

 

 わが家に戻るのも、今回は奥方にお願いした。迷犬ごんが「散歩に行こうよ」とダンスをしてくる。昨日の朝にも行ったばかりなのに・・・。

 

 今日の掲示板はこれ。「些細な事に驚く力を取り戻せば 一見退屈な日常が輝いてくる」というもの。清水眞砂子(翻訳家・児童文学者 ゲド戦記訳者)の言葉らしい。さも、悟りきったように、「そうじゃ、そうじゃ」とか「ありのままじゃ」「そのまんまじゃ」と、ものごとの本質も中身も見ないままに年月を過ごしているが、些細な霜の朝や、雨に濡れたサンシュウの赤い実や・・に驚く力を見いだしたとき、確かに確かに、退屈な毎日が恥ずかしくなり、退屈な日常が輝いて見えてくる・・・・。

 

じゃぁ、また、明日、会えるといいね。


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